花が咲く頃にいた君と

「衣夜さん、あたし…!」

「大丈夫、」


雨が幾筋も濡らした頬を、温かい涙が伝う。



衣夜さんはあたしに微笑みかけて、頭を撫でてくれた。



「こんなとこでいつまでも座ってたら風邪をひいてしまう」



衣夜さんの優しい手が、あたしの腕を引いて立たせてくれた。



「ふゆちゃん!?」




その瞬間、世界が歪んで霞んで





衣夜さんの胸に倒れ込むように意識を失った。