花が咲く頃にいた君と

遠慮もなしに、横峯は保健室の扉を開けて、中に入っていった。


「誰もいねぇ」


ぽつりと呟かれた言葉。


誰もいない無機質な保健室に吸い込まれた。



さっきまで真っ赤だった顔が、真っ青になった。



抱えられたまま、横峯が向かったのは、奥にあるカーテンで仕切られたベッド…


…のところ。って



カーテンを開けると、


「…っ!」

乱暴にベッドの上に下ろされた。



パイプベッドはあまり弾力がなくて、お尻が痛い。


ちょっと涙目になりながら、見上げてみると、


東向日には敵わないけれど、それなりに端正な顔が目の前にはあった。




あまりの近さに、背中を反らし息を飲んだ。