「悪かったな」 俺は咲哉の肩を軽く叩いた。 「いや。いいよ」 咲哉は軽く笑いながらそう言った。 結局、香月のことは何もわからなかった。 香月は俺に嘘をついたんだろうか……。 どうしても無理してるんじゃないかと思ってしまう。 だけど香月の心の中まで足を踏み入れることは出来ない。 心の中にモヤモヤしたものが残ったままだった。 「そろそろ出るか」 俺は腕時計を見ながら言った。 「そうだな。また飲もう」 「あぁ」 俺と咲哉はバーの前で別れた。