「香月のことなんだけどな……」
俺がどうしても聞きたかったこと。
それは香月のことだ。
「香月のこと?」
「あぁ。お前なら香月との付き合いが長いからさ」
「まぁな。で、香月の何が聞きたいんだ?」
咲哉がタバコを咥えて火をつけた。
「香月ってさぁ、いつも体育館裏で弁当食ってるだろ?それも1人で」
「あぁ」
「それに休み時間も他の生徒と話してるとこを見たことないんだよ。1年や2年の時はどうだったか知ってるか?」
「1年の最初の頃は友達もいたみたいだけどな。でも2学期の中頃くらいから1人でいるようになってたかなぁ……」
「どうして?」
「彼女、耳が聞こえないだろ?だから他の生徒たちもコミュニケーションを取ったり意思の疎通が難しかったりして、だんだん香月の傍から離れていったんだろうな。それくらいの時から苦情があったみたいだぞ」
「そっか……」
俺もタバコを咥えると火をつけた。



