私はしばらく腕を かきむしると 今度は自分の腕を 落ち着かせるように 小さく丸まって しゃがんだ。 頭をよぎるのは… コースケの言葉、 過去の苦しみ、 私はアイツから 逃げられないんだ。 アイツが帰って来た今 私に自由なんて物は ないに等しかった。 「ミナミ!」 普段、ジンさんが 大きな声を出すなんて 聞いた事もなかったから 私を呼ぶその 低く良く通るジンさんの声に私の心臓がドクンと揺れる。