ジンさんは私にメットを
かぶせると、



勢い良くバイクを
発車させた。



もぉ少しスピード
おとせよとか思うけど

そんなん突っ込む
元気すらない。




春にもかかわらず

夜の風は冷たくて


私は気づかれないようにジンさんの背中に顔を埋めた。



「送ってくれてありがと..」



私の適当な説明
にも関わらず、


バイクは速攻で
私の家に着いた。


「あぁ」



エンジンの
どでかい音をたてて


バイクを発進させる
ジンさんをボーっと見送った。