突然の事で固まっていると、上から寝息が聞こえ始めた。 『…寝ぼけたんですか?隼人さん』 返事が返ってくることはなく、そっと手を外して離れる。 隼人さんは弱味を人に見せない人やし、いつもこんな事しないのに…よほど大事な人なんかな。 8年も思い続けるって凄いな。 そんなにも想われたなら、きっと幸せ。 …私にはそんな人、いないけれど。 『お先です』 一応声を掛け、控え室を後にした。 .