「あほみたいな顔してるで」 『え、あ…驚いた、から...』 アホみたいな顔で、 アホみたいなそんな答えが口に出た。 「なあ、さっきの質問の答え、くれや。お前、今楽しい?」 『え……』 「そんな訳ないよな?あのさ、お前の影武者?生きてるねんて。お前、そんな窮屈な生活続ける必要ないねんで?」 『……え!』 生きてる? 影武者……って、菜穂さんが?? そんな可能性、一度も考えたことがなかった。 彼女が生きていたら。 会ったこともない彼女が、五十嵐の家に戻るなら。 ……私は、要らない。 .