『…』
目を覚ますとすっかり夜が明けていた。
雅「…莉依ちゃん、起きてる?」
控えめなノックに続いて雅さんの声。
『あ、はい』
雅「入るな」
ああ、また今日もベット占領してしまった。
慌てて体を起こすと、脇腹に鈍い痛みが走った。
『…ッ』
雅「大丈夫?…まだ傷口塞がってないんや、無理せんとき」
『傷口…』
ああ、忘れていた。
昨日私、刺されたんやった。
雅「ご飯作ったけど…持ってこようか?」
『いえ、起きれますから』
雅「そか。なら行こ」
『はい』
本当に、迷惑をかけてばかり。
どこへ行っても自分は災厄のようや。
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