雅「その傷は?」
『え?』
雅「背中の…」
『ッ…!!』
傷の深さを確かめるため風呂場に連れて行き上着を脱いでもらった時。
莉依ちゃんの背後にある鏡に、彼女の背中が映った。
その背中のキズを指摘した瞬間、表情を一変させ俯く莉依ちゃんの姿があった。
由「お前裸見たん!?」
雅「裸…なぁ。まぁ下着は付けとったで?」
由「無理やりか!!そうやんな…お前も男やしな…」
雅「お前なぁ。必要だったからしたんやで?」
由「で?アイツ結構胸ある?」
雅「…知らん」
由「自分だけ卑怯やぞ!」
雅「あー、はいはい」
由樹は…全くもう。
女みたいに話がどんどん逸れてく。
雅「まぁ、触れられたくはないんやろうが」
由「…だったら触れんどき」
雅「あ?何や聞いてたんや」
由「女が男になって働くなんて…何か事情ありきやろ」
雅「…うん」
由「アイツのは…重い。深いよ」
雅「え?」
由「触れたら飲まれる。…特にお前は」
雅「何か知ってんの?お前」
由「……いや、ただなんとなく。…さ…寝よかな」
雅「え…ちょっと由樹?」
由「おやすみー」
雅「由樹!…そっち莉依ちゃんの寝てる部屋やから」
由「……チッ」
真面目なんだかふざけてんのか。
雅「ふふっ…」
ほんま、何年一緒にいても飽きない。
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