『え…どうしたんですか?』
雅「何…してん」
安堵した、と言うより、確信に近く想像していたものとあまりにもかけ離れていて頭が追い付かない。
思わず間抜けな声が出てしまった。
『えっと買い物…あっ!床汚してしまっ……!!』
雅「…本物やな」
考えるより前に身体が動いた。
大丈夫、ちゃんと温かい。
これは俺の妄想なんかじゃない。
雅「…」
『……ったぃ…』
雅「…え」
『ごめん雅さん…離して…』
うめき声と共に顔を歪ます莉依ちゃんを見て慌てて力を緩める。
雅「ごめん!…どこ怪我したん?見せ」
『い、いや…大した怪我は』
雅「アホ!こんな大量の血見てそんなん信じられるか!」
『…す、すみません…』
あぁ、今日は女の子に怒鳴ってばっかりやな。
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