何も言わずに居なくなる事も出来た。




けど、慎さんは私を救ってくれた人だったし、ちゃんと挨拶くらいはしておきたかった。




…晴樹にも。




“けじめ”つけなきゃ。


























『…あの、ちょっと出掛けてきます』



雅「あぁ、俺も店でるから途中まで行こ」



『あ…はい』


















そっか、そんな時間か。



…この数日間で既に、あの店で過ごした日々が遠くなっていた。





















『あ…じゃあここ辺で』



雅「うん。あ、これ君の鍵な」



『鍵?』



雅「うん。無かったら困るやろ」



『…ありがとうございます』



雅「いーえ。遅くならないうちに帰っとくんやで」



『はい。…頑張ってきてくださいね』



雅「おん。いってきます」



『いってらっしゃい』





























いってらっしゃい…か。












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