…目を覚ました時、私はベッドに横たわっていた。
視線だけ動かし部屋を見回す。
モノトーンで統一されたシンプルな部屋だ。
雅さんっぽいな。
…そんな事を考えていると、ドアが開く音がした。
『…由樹さん?』
由「具合、どう?…あぁ、熱はちょっと下がったみたいやな」
上半身を起こすとそこに立つ由樹さんの姿があった。
ベッドに座り私の額に当てられた由樹さんの体温は低くて気持ちが良い。
高くも、低くもない由樹さんの声が心地良く、思わず目を閉じる。
…不意に、体が傾き背中に柔らかい布の感触が当たった。
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