雅さんの襟首を掴み上げ何やら文句を言う由樹さんを前にクラクラしてきた。
熱…また出てきたみたいやな…
由「…え、翔ちゃん!?」
『ハァッハァ……え?』
由樹さんから声が掛かった瞬間、体が崩れ落ちた。
全身から汗が噴き出す。
そんな私の様子に気づいて慌てたように由樹さんが走り寄ってきたのが視界に入った。
由「具合悪いん?うわ、体冷たッ!濡れたんか?」
普段と違って声のトーンが低い由樹さんをぼんやり見つめる。
ああ、やっぱり可愛ええんやけどな…イメージちゃうな…
雅「あ、忘れてた。そいつ具合悪いみたいやねん」
由「見れば分かるわ!」
いつの間にかすぐ側に来ていた雅さんのみぞおちに由樹さんの拳が入るのを最後に、私は記憶を手放した。
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