雅「何飲む?…ん?何二人して突っ立ってんの」
『あ…の……さっき話してたのは…由樹さん?』
由「…」
目の前には只でさえ大きい目を見開かせた由樹さんが立っていた。
いつも可愛い声、容姿のおっとりしてる由樹さん。
どんな時も由樹さんが怒る事はなくて、それが由樹さんだと思ってた。
……けど。
次の瞬間にはふと我に返ったようにツカツカと雅さんに近づき、高く上げた手を頭上に振り落とした。
『っ!!』
雅「痛…」
由「お前ッ…なんやねんな!店の奴家に上げてどう言うつもり…」
雅「…ええの?」
由「…何が」
雅「翔央の前でめっちゃ素やで、お前」
由「!」
『…素、なんだ』
思わず呟くと、慌てたような表情をしたあと引きつり笑いを浮かべた。
由「翔ちゃん…?ちゃうねん、これは…」
『は、はい…?』
由「えっと…な…」
雅「もーええやん。ごまかしきれんて」
由「お前は黙っとけボケッ!」
『…!』
早口、言葉遣い、雰囲気…
別人みたいや。
.



