「なぁ」 『…あ、はい』 いつのものか分からない記憶に思いを巡らせ、無意識にぼーっと男を見つめていたら声を掛けられ慌てて返事を返す。 …よく考えたらこんな夜中に公園で…いくら今の外見が男やからって危険なんじゃ… 「お前………」 『は、い…』 若干緊張しながら次の言葉を待つ。 …と、頬に冷たいモノが当たった。 「あ……まぁいいか」 『…えっ』 冷たい雫の正体が雨だと気づくのと男に腕を掴まれるのはほぼ同時だった。 .