「ったく、しょーがねーからもう少しなら待ってやるよ」



八重歯をチラッと見せて笑う緋山匡にアタシは溶ろけそうになった。






「あっ!!乙宮さん!緋山君!こんな所にいた!!」


スタッフの松田さんが台本を持って走ってきた。


「あれ、もう出番ですか??」


首を捻って聞く。


「ううん、最終話のシーンにもうすぐ入るんだけどあの例のキスシーンどうしますか??」



あ、実際にキスをするかしないかって話か。