「純くーん」


楽屋で置いてある雑誌をパラパラ捲りながら話かける。


「ん?」

ファイルの整理をしていた純君が面倒くさそうに生返事をする。


「恋って何??」


重そうなファイルが落ちる音共になかの紙がいっせいに散らばる。


「恋……してるの??侑姫ちゃんが??」


「や、アタシじゃなくて……」


緋山匡がさ。


してるって言うじゃんか。


「アタシ愛は知ってるけど、恋って知らない」


高槻さんやパパやママがアタシにくれたのは愛。


んじゃ、恋って何?


「……ぅ~ん、セイジが巧を大事にしてるじゃん??あんな感じだよ。」