ガッシャーンて豪快な音と共に緋山匡は吹っ飛んでしまった。 そぅ、アタシがグーで殴ってしまったから。 「ってー……」 よろよろと立ち上がる緋山匡の顔は見事に腫れ上がってしまった。 ……どどどどどどど、どうしよう…… 役者の顔を殴ってしまった。 ヤバイヤバイヤバイヤバイ。 絶対にヤバイ。 「ごっ、ごめんなさい!責任はアタシがとらせて頂きます!!」 はい、土下座。 アタシが緋山匡に土下座する日がくるなんて…… でも……とても撮影が進められるとは思わない、顔の腫れ具合。