「俺は、侑姫ちゃんのマネージャーである前に父でもあるから……」
せっせと、冷蔵庫の中のチューハイやらビールやらを取り出しながら言った。
「カッコつけて言うなぁー!!今すぐ親子の縁なんて斬ってやるー!!」
数分前はあんなに純君に感謝をしていたと言うのに……
「あ゛っ!?こんな所にどどど、ドンペリまでっ!!うわ、ロ、ロマネコンティ!?」
ついに、ワインセラーまで見つかってしまった。
見つかった~!!
アタシの大好きなシャンパンと高いワインが…
「ペリニヨン様だけはどうか御勘弁を……」
もはや土下座。
だけど、ずっと開けるのを楽しみにしていたドンペリだ。
純君なんかに渡すものか。
「没収!!ハタチになったら返します!!
ロマネコンティなんて僕だって実家出てから呑んでないのに」
「あ、じゃ一口呑んでみる?」
オープナーと高めのグラスを片手に言うと
「侑姫ちゃん…反省してないね?」
眼鏡の奥から睨まれ、アタシの右手はすばやく引っ込んだ。
やっぱり、純君を家泊めるべきじゃなかった……

