異変は…その日の夜、起きた。

私は…受験勉強で読めなくなっていたマンガの本をベッドに寝転んで、読んでいた。

「イタッ…」

お腹に痛みを感じた。

私はお腹を押さえた…
すぐに痛みはおさまった。

その日は…お腹が痛くなることはなかった…

だけど、夜中。
トイレにいきたくなってトイレに行って、用をたした。

その時、少し…
出血していることに気づいた。

『おしるしだ』
と思った…

おしるしというのは…
もうすぐ…赤ちゃんが産まれてきますよというサイン。

“今からママを起こして病院に行こうか?”
と思った…

ダメだ。
だって、今日は梨香の卒業式。

梨香の卒業式だけは台無しにしたくない…

そう思って。
ママは起こさないことにして…
私は部屋に戻った。

部屋に戻って、ベッドに横になった。

お腹が痛いような気がした…

その時は…お腹の痛みよりも眠気の方が勝っていた。

私は…いつの間にか眠ってしまったらしい。

「痛い!」

強いお腹の痛みで目が覚めた。

時計を見ると…4時。

「痛い…痛い…」
私はお腹をぎゅーっと押さえて、時計とにらめっこ。

痛みは1分以上、続いた。
痛みがひいた時。
私は汗びっしょりだった。

「はぁ…はぁ…」
呼吸を整えた。

陣痛かな?
陣痛には間隔と波があると本には書いてあった。

30分ぐらいして…また、お腹が痛くなった。

「イタッ。痛い!」

1分ぐらい痛みが続いた。

その次は20分後に…お腹が痛くなって。
このお腹の痛みは…
陣痛だと気づいた。