「なんよぉ、拓。モテてらいしょ」
やり取りを聞いていた彼の友達が、後ろから茶々を入れてきた。
「お前ら、うっさいんじゃ!」
彼は照れ隠しのように怒鳴って、またあたしの方に向き直る。
「そっかぁ。タウンナビかぁ。
あんな小っさい写真、見てくれてる人いてたんやなぁ」
そう言って、白い歯を見せて笑う彼。
……やばい。脳内彼氏なんか比較にならないくらい、やばい。
生の彼の笑顔は、あたしの心臓に豪速球を打ち込んでくる。
「で、君って、この店の子なん?」
「えっ、あ、はいっ。今日はむりやり店番させられてて……」
「ほんじゃ、いつも店にいてるわけちゃうんか」
「え?」
「残念やよぉ。また来ようと思ったんやけど」
「え……」
ええぇぇーー?



