陣はスイカを口の中に入れたまま、ぴたりと静止した。
「それでね、あたし――」
「フラれたんけ?」
なぜかムスッとした表情の陣。
「え? えっと……
“別れよう”って言ったんは拓ちゃんやけど、原因はあたしにあるっちゅーか」
「ふーん。ま、ええんちゃうか。
お前が嫌がってんのに無理やりキスするような男やしな」
陣が拓ちゃんを悪く言ったので、あたしはついカチンときて、
「別に、いつもあんな無理やりだったわけちゃうもん! 普段は優しくしてくれたもん!」
と言い返してしまった。
「はあぁ!? ほんじゃお前、いつもあいつとキスしてたんかよ!?」
すごい勢いで陣が逆ギレしてくる。
「なっ…何よ、アカンの!?」
「アカンわ! アカンに決ってるやろが!」
「なんでっ――」
「お前は俺の女じゃ!!」



