【短】夏秘め natsu-hime


「へ?」


「だってこないだ、俺と君がしゃべってる間、ずっと俺のことにらんでたもん」


「……」



陣が? 


大倉さんを……?



「え……えぇぇ!? すみませんっ!
あのっ、違うんですっ!
あいつは誰に対しても態度がデカイってちゅーか、頭おかしいっちゅーか……」



あぁもう、ホンマすみません!


半泣きであやまるあたしに、大倉さんはフッと笑って言った。



「友達?」


「……」



もしかして。

これって、探られてる……のかな。



「幼なじみ、です」


「カッコいい子やん」


「っ!そんなことない! 大倉さんの方がずっと――」



思わず滑りおちた言葉を、途中で飲み込んだけど、遅かった。


大倉さんはまたフッと笑って、アイスの棒をゴミ箱に捨てた。



「店番、今から抜けられる?」


「え?」


「遊びに行こらよ」