「何すんねん、お前!
そんなデカい手で叩かれたら痛いやんけ、巨大女!」
「はぁ!? 陣がチビなだけやん!さっきの大倉さんとは大違いやわ!」
「そーか、そーか。
勝手にしたらええわいしょ。
まぁどうせ、あいつの言うてた“また来る”も社交辞令に決ってるけどな」
「……っ」
な、なんでそんな言い方するん?
あたしはちょっと、憧れの人に会えて喜んでただけやん。
それをなんで、そんなトゲのある言い方……。
「――あれ? 陣くん、もう帰ったんかえ」
買い物から戻ってきたお母さんが、ひとりで店番しているあたしに声をかけた。
「知らんわ、あんなやつ」
「またケンカ? はよ仲直りしぃよ」
「お母さん!!」
「な、何よぉ?」
突然大声を出したあたしに、お母さんが訝しげな顔をする。
「あたし……
明日から毎日、店番するから!」



