「ごめん、待った?」

少し息を切らした瑞貴君わ軽くあたしに頭を下げた。

「あれ、ケン君わ?」

「あ、ケンわ。。。その。。。トイレで。。。」

「最終チェック?」

半笑で瑞貴君の顔をのぞきながら聞いてみた。

「うん」

ふっと笑って瑞貴君も返事を返してくれた。

「なに?そっちも?」

「うん。ずぅっと鏡とにらめっこ」

「はははっ、なんじゃそりゃ」

初めてあたしの前で笑ってくれた。

「瑞貴君、サッカーやってるの?」

「へ?あ、うん。なんでわかった?」

「ケータイにサッカーボールのストラップついてたから」

ちょっと得意気に言ってみる。

「桃山って子が気づいたの?」

「え?なんでわかったの?」

まさかの言葉に少しびっくり。

「だって俺らと話してるとき全然こっちみてなかったから」

なにそれ?

まさに図星。全部あってる。

「瑞貴君、すごいね」

「まじ?ってか瑞貴でいいよ。」

「。。。瑞貴。はい」

「なんで敬語なの?笑」

「なんとなく。。。あ、あたしわ美優でも矢野でもなんでもいいよ」

「じゃあ美優ね、」

「うん。あ、ケン君と亜里沙来た!」

生徒玄関から2人がはしって来た。

「ごめ~ん!!」

2人声をあわせてあやまってきた。

「大丈夫」

たまたまはもったはたりの声。

なんかおもしろい。

あ~あ、頑張って力入れたアイライナーも

あれだけいじってた髪の毛も走って来たせいで

台無しだよ、亜里沙。

ケン君もズボンのベルトの位置がずれてる。

軽く手探りで髪の毛を直した亜里沙とケン君わ

「行こう」とえがおで切り出した。