王子様とお姫様




「そう

それで結局特待の試験は受けられなかったんだけど

千嘉の頭の中はさっきの男の子のことでいっぱいだった

ホントは県内でも一番頭の良い女子高に行く予定だったんだけど


男の子にもう一度会いたくてランクを何個も落として

西高を受験した


そして見事合格した私は



今度はイメチェン

ボサボサの髪は切って薄くして染めた

メガネはコンタクトにして

雑誌を買いあさってメイクの練習


血の滲むような努力をした


そして入学式


彼に…愛武に会ったの



それで…まぁ今に至るかなぁ〜?」




「……でももしさ?

その時愛武以外の誰かがお前を助けたら

お前はその人に惚れたんだろ?」



「うっ…」



それはそうかも…って!!



「千嘉は愛武だから好きになったの!!!!

愛武意外の男になんて興味ない!!」



「はいはい

あっ!!

もうすぐ1時間目終わるから教室戻れ!!」



「言われなくても戻るし!!」


─バンッ



私は勢いよくドアを開けて保健室を後にした