音を奏でて~放課後の音楽室~

「先生」


「ん?」


「仲直り、しないといけませんか?」


私が足を止めると、先生も自然に足を止めた。


「その言い方だと、まるで仲直りしたくないみたいだね」


「したくないわけじゃないです」


また歩き出す。


「私は別に一人でも平気だし、葵が他の友達と仲良くやってるならそれでいいかなって」


「そう」


「でも私と葵がケンカしてることで、周りの人に迷惑をかけてるなら、仲直りしないといけないかなって思います」


「周りは、あまり気にしなくていいと思う。どうせすぐ慣れる」


先生が、ポンと私の頭に手を置いた。


「君は、ほんとにいい子だね」


「私は別に、いい子じゃないです」


いい子という言葉は聞きたくない。