音を奏でて~放課後の音楽室~

「おじゃましました」


8時を過ぎたころ、さすがにそろそろ帰らないとみちる先生に迷惑がかかると思い、お礼を言って家に帰ることにした。


「ねえ、優音ちゃん。ほんとに送ってかなくていいの?」


「はい。すぐそこだし」


玄関まで私を見送りに来たみちる先生が、心配そうな顔をする。


「でも、外もう暗いし」


「大丈夫ですよ。変な人出たって聞かないし、出ても私なんか襲いませんって」


冗談めかして言ってみたけど、やっぱりみちる先生は心配顔。


そんなに心配してくれなくても、家まで歩いて10分なんだけどな。


「俺が送ってくよ」


私たちが玄関でいつまでも話していると、リビングから内田先生が姿を現した。


「あっ、それがいいわ。優音ちゃん、仁に送ってもらって」


「でも・・・」


「いくら近くても、もう暗いし何かあったら困るから」


内田先生にそう言われて、私は小さくうなずいた。