音を奏でて~放課後の音楽室~

聞かれたくないことを聞いちゃったのかな?


急に弾く気分じゃなくなって、ピアノのふたを閉めてみちる先生のところに向かった。


「みちる先生。何か手伝うことありますか?」


「あれ?弾くのやめちゃったの?」


「はい」


みちる先生は、ザクザクとトマトを刻んでる。


「そうね。挽肉炒めてくれるかな?優音ちゃんに包丁は持たせられないわ」


「先生、気にし過ぎだよ」


「だって、生徒の指に傷はつけられないし」


みちる先生は、お願いねと言って私に木しゃもじを渡した。


みちる先生に言われた通り、挽肉を炒める。


「そう言えば、仁は?」


「あっ、どっかに行っちゃって」


「あの子もね~」


みちる先生はハァ~と息を吐いて、私が炒めてた挽肉の中にトマトを入れた。