音を奏でて~放課後の音楽室~

「俺はいい」


内田先生が、窓の外に視線を移す。


「いつまで弾かないつもり?昔はあんなに楽しそうに弾いてたのに」


「昔は昔だ」


「もういいわ」


みちる先生はため息をつくと、キッチンに戻っていった。


「先生?」


窓の外に視線を移したままの内田先生に声をかけると、先生はハッとしたように私に顔を向けた。


「ごめんね。弾いていいよ」


そう言って私に笑顔を向ける内田先生。


「先生も、昔は弾いてたんですか?」


なんとなく気になって、先生に聞いてみる。


「すごく昔だよ。さっ、俺のことはいいから弾いて」


「あっ」


私がまた口を開きかけた瞬間、内田先生はソファーを立ってリビングを出て行ってしまった。