音を奏でて~放課後の音楽室~

みちる先生は私に優しく微笑むと、パタパタとスリッパの音を立ててキッチンに向かった。


リビングには内田先生と二人きり。


「テレビでもつける?」


「あっ、でも先生、新聞読み途中だったんじゃないんですか?」


「いや、もう読み終わったから」


「じゃあ、ピアノ弾いてもいいですか?」


ピアノを指差すと、内田先生がこくんとうなずいた。


椅子に座ってピアノのふたを開き、音を出す。


「あれ?優音ちゃん、またピアノ弾くの?」


私が音を出すと、キッチンからみちる先生が顔を覗かせた。


「ダメですか?」


「うんん、いいんだけど、さっきもいっぱい弾いたからほどほどにね」


「はーい」


「そうだ。たまには仁も弾きなさいよ」


みちる先生が内田先生を見る。