音を奏でて~放課後の音楽室~

なんで先生の前で泣けるの?


「ピアノを弾いてくれないか?」


「えっ?」


突然の言葉に、先生をジッと見つめてしまう。


「ごめんね、急に。でも君の音を聴きたくなって」


先生が苦笑いを浮かべる。


「私の音?」


「そう。君の音。真っ直ぐで、優しくて、キラキラ輝いてて。それが君の音だよ」


「私が弾いてるのに、私と正反対の音」


「ほんとに?」


先生が立ち上がって、私が座ってる椅子の後ろに回る。


そして後ろから私の手を取り、鍵盤の上に乗せた。


「音はね、人を映す。きっと君の音は、本当の君を映しているんだよ」


「本当の、私?」


「弾いて」