音を奏でて~放課後の音楽室~

「優音基準に言われても困るよ」


「どういう意味?」


葵がもう一度私を睨みつける。


「みんな、優音みたいに完璧じゃない!優音みたいに、出来る子じゃないの」


今度は、私が言葉を失う番だった。


ああ、葵も私のこと完璧だって思ってるんだ。


出来る子だって思ってるんだ。


シーンと静まり返る音楽室。


私がまた口を開こうとした瞬間、タイミング良く部活終了のチャイムが鳴った。


「・・・今日は終わり。片付けして帰って」


自分の楽器と譜面台を持って、音楽室を出た。


背中の方から、椅子や机の動く音が微かに聞こえた。


音楽室から離れた教室で、一人楽器を片付ける。


「今日は、あんまり吹けなかったな」


クラを片付けながら、ふとそう思った。