音を奏でて~放課後の音楽室~

すぐに漂ってくるコーヒーの香り。


「ほら」


「ありがとう」


差し出されたカップはいつも先生が使う黒色のものだったけど、それを受け取る。


私の隣に座った先生は、いつも私がここに来るたびに使う白いカップが握られていた。


カップに口をつける。


「苦い・・・」


口の中いっぱいに広がる苦い苦い味。


「飲めない・・・」


なんだか急に泣きたくなった。


そんな私を先生は抱き寄せ、カップを交換してくれた。


もらったカップには、甘い甘いカフェオレ。


「優音」


「ん?」


「あまり急ぐな」