音を奏でて~放課後の音楽室~

「うん!」


真っ直ぐに、キラキラ光る花音の瞳。


その瞳に映るのは、作った笑顔を見せる私。


「ねえ、お姉ちゃん。花音も一緒に弾きたい」


「うん。一緒に弾こうか」


二人でピアノの椅子に座る。


「じゃあ、花音右手ね」


「うん」


中学生とは思えない、小さな小さな手。


ほんとは、私だって花音のことを守ってあげないといけないんだよね。


「ごめんね、花音。お姉ちゃん、ピアノの教室に行かないと」


一曲花音と弾いたあと、そう言って椅子から立ち上がった。


「またあとで一緒に弾いてくれる?」


「うん」


花音の頭をなでて、リビングを出た。