音を奏でて~放課後の音楽室~

ピアノを弾き終わり、先生はスコアを見るためにソファーに背中をつけて座った。


そんな先生のためにコーヒーと、自分のためにカフェオレを淹れて先生の隣に座る。


「おいで優音」


「うん」


スコアを閉じた先生は、ポンポンと自分の膝を叩いて私に座れと促す。


「先生、私重くない?」


「軽過ぎてどうしようかと思う」


「そう?」


先生に凭れかかって、ホッと息を吐く。


「ちゃんと食べてる?」


「うん。でもね、前からずっと、ご飯おいしくないの」


「前から?」


「うん。一人でご飯食べるようになってから」


どんなにおいしいご飯でも、一人で食べるのは味気ない。


味を気にするより、さっさと食べて終わらせようって意識が強いから。