音を奏でて~放課後の音楽室~

お礼を言われても、全然嬉しくなかった。


だってお母さん、私の方見てくれてなかったんだもん。


キッチンからお母さんが料理をする音がする。


「優音はもう食べたの?」


「うん」


「そう、よかった。他の材料、二人分しか買ってこなかったから」


安心したようなお母さんの声が返ってくる。


「お母さん助かるわ。優音は一人で何でも出来て」


「うん」


だんだん耳を塞ぎたくなってくる。


ねえ、お母さん。


そう言われるたびに、私は何も言えなくなっちゃうんだよ。


その言葉で、心が締め付けられるの。


「優音はいい子だもんね」


「うん」