音を奏でて~放課後の音楽室~

最初の音を出す。


もう何回も弾いてるから、指が勝手に動く。


ここは、だんだん大きく。


ここは、だんだん小さく。


楽譜なんか見なくても、この曲は完璧。


時間が許すなら、ずっとピアノを弾いてたい。


このまま、誰にも邪魔されず。


でもこの夢のような時間は、やっぱり夢で終わる。


私にずっとはピアノを弾かせてはくれなかった。


3曲目を弾き終わった直後、入口からパラパラと拍手が聞こえた。


「内田先生・・・」


「鍵がなかなか戻って来ないので」


「すみません。もう帰ります」


ピアノの蓋を閉める。


荷物を持って音楽室を出て、鍵を閉めた。