体育祭まで残り二日となってしまった今日。
今だいちっにちも那智君達を登校させておりません。
「もう二日だよっ!?このままじゃホントに私留年だよ!?」
「もう藍華自業自得って諦めて留年したら?」
昼食時間、カフェテラスに吏夢と来ていた。
あわてふためき、この世の終わりのような私に冷たい吏夢。
「そんなに嫌がってるんだから、藍華の私事で振り回すのはかわいそーだよ」
「・・・そ、だけどさ」
吏夢の言葉に勢いを無くし真っ白なテーブルに突っ伏す。
「今からでも遅くはないし、頑張って勉強しよ?私も見てあげるから」
たしかに吏夢は頭良いから私が死ぬ気で頑張ったら、なんとかならないこともないかもしれない。
だけど・・・
「私、那智君に学校きてほしいもん。留年がどうとかじゃなくて、ただ純粋に・・・」
「なんで?」
「なんでって・・・なんでかな?」
「なにそれ?」
アハハっと笑いストローを口に近づける吏夢。
なんか、理由を聞かれても説明は出来ないんだよ。
ただ、諦めが悪いからなのか?
「まあ、これは藍華の問題だし、私が口だしするようなことじゃないね」
そう言って片眉を下げて笑い、向日葵畑のほうに向けた。
実はカフェからは寮に行く時必ず通る向日葵畑が小さくだがけっこう見える。
「アレ?ねぇ藍華、あれって人だよね?」
吏夢が指差すほうを私は見た。
確かにあれは人だ。
髪が黒くて長いのが黄色い向日葵によく映える。
「寮の方を見てるけど・・・」
「・・・ごめん吏夢!私ちょっと行ってくる!」
「あ!藍華!?」
バッと立ち上がり私はカフェテラスをあとにした。