酒とタバコとパチンコを生きる糧にしている、どうしようもない父親だった。

父親らしいことは何一つろくに出来ないくせに良い父親の振りをしたがり、面倒なことがあれば他人だと言い切った。


…だから、正直。

十八になった俺にある日突然言ってきた、そのあまりにも父親らしい言葉を

何時もの気まぐれで言ったのだろうと適当に流していた俺は、まさか死ぬ間際に再びそれを口にされるとは思わずにただ驚いていた。


穏やかな微笑みを浮かべて真っ白な天井を見つめながら

約束だ、と親父は言った。

すっぽかすんじゃねえぞ、と再度笑った。












すっぽかしたのは、親父のほうだった。




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