36.8℃の微熱。

 
そうだよ、そうそう。

日焼けの邪魔をして。ついでにお昼寝の邪魔までして・・・・。

なんで? なんでそんなに、ちゃんと話を聞いてくれたんだろう。


「それはね、茜ちゃん」


そう言うと、お姉サマはおかしそうにクスクス笑う。

もったいぶるように、次の言葉をなかなか言おうとしてくれない。

あたし、相当ワケが分からないって顔でもしているんだろうか。


「あ、あのー・・・・」

「あー、ごめんごめん。あのね、個人的に、茜ちゃんがどっちを好きか確かめてたの」

「はっ!? 好きか確かめる!? なななな、なんでそんなことっ!! 困りますっ、ヤメテくださいそういうのっ・・・・!」


あたしだって、夏休みに入ってからずっと検証中なんですから。

それに、こう言ってはかなりの失礼にあたるけど、今日初めて会ったばかりの人にあたしが誰を好きかなんて決めてほしくない。

そういうのは、ちゃんと自分で。

そう決めているんだから。


「あら、怒っちゃった?」

「怒るとか、そういうんじゃ、ないですケド・・・・」