「綾香姉ぇ。ちょっと聞きたい事があって…。

電話じゃなんだからさ…。」

誠の声は暗く重い。声だけで、その話というのがわかるだろう。

「なに~?デートの誘いかな?」

綾香はそんな中であえて茶化す様な声で笑う。


「綾香姉ぇ、俺は真剣に…。」

誠がそこまで言った時、

「……だよ。」

綾香は声を発していた。

「え?綾香姉ぇなんて?」

「本当のことだよ。


誠が今日聞いてきたことは……。


全部……ね。」


…綾香姉ぇは何を話している?

全部って…?


「全部は…全部だょ。

チェーンの女の子から聞いた通り。


私は世界を消せる道具を集め

討伐に来たチェーンの鷹乃尾幸政に炎を放った。


それは全て真実。」

魔女はクスリと笑った。

イタズラがバレた子供の様に…。