「どうしたの?」

千草は不思議そうに少し眉をひそめる。

「あ、いや。ピアス…。つけてたんだなと思って。」

少しどもってしまったが、大丈夫だろうか。

「へ~~。」

少し引いた様な千草の目。

何かまずいことを言っただろうか。それとも不覚にも見とれてしまった誠に気付いたのか。

「このピアス、入学したときからつけてるんだけど…。」

…………。

少し気まずい沈黙。

「まぁ、いいや。黒岡君、今、暇?ちょっと付き合ってほしいんだけど?」

……………。

「え?」