しなやかな腕の祈り

覚えていた通り、開かずの押し入れにはアルバムが山のように入っていた。

一番上の段から下の段まで、とても綺麗に並べられていて、改めて静香叔母さんの収納の腕の凄さを思い知らされる。

一番上の一番左からアルバムを取り出して見ていくと、色んなものが写っていた。

お母さんの子供の頃もあった。

途中、気がついた。

ここにある写真は全てお母さんの若い頃の写真だ。



「…よし…しめた」


小さな声で呟き、急ピッチでアルバムを見ていく。

お母さんが子供の頃から中学生、高校生と時代が今に近付いてくる。

横着だったころのお母さんの写真もあり、介護の仕事について老人を抱きかかえて楽しそうな表情の写真もあった。

次にめくったアルバムは…お父さんとお母さんの結婚式の写真だった。

写真の中のお父さんは笑っていて、お母さんはそれ以上に笑顔だった。

写真の横に書き込みがあって



『大好きな龍真と、悲願の結婚!!』



なんて幸せな事が書いてある。

お母さんはこの頃、間違いなく幸せだったんだ。



『お腹の子も、今日はいつも以上に元気に動いてくれた』



お腹の子、とはあたしの事だろう。

嬉しくもなり、切なくもなった。