しなやかな腕の祈り

『今なぁ、銭湯入りに風呂に着いた所や。お前待ってたんやけど遅くなりそうやったから、すまんけど俺らだけで来たわ』

「そっか、それならいいよ。誰もおらんから不思議に思って。」



そう言って電話をきった。

急いで夕飯をかきこんで、洗い物を済ませる。

それから向かった先は、叔父さんと叔母さんの部屋。

叔父さんと叔母さんの部屋には、子供の頃から"開けたらいけない"と言われてきた押し入れがある。

中学生のころ、一度だけ遠くからその押し入れが開いているのを見た事がある。

アルバムのような冊子状のものがたくさん入っていたのを今でも明確に覚えている。



そう、あたしは思っていた。

あの押し入れの中のどれかに、皆があたしに隠している"何か"の理由が隠されている。

それを今日から誰もいない時間に、少しずつ探していくのだ。

大なり小なり、何かは必ず見つかるだろう。