それは、まだ12・3歳くらいの少年と少女だった。

軽く頬を叩くと、

「う……ぅん……」

小さく唸りながら、少年が身動ぎする。

そのかたわらで、アシュレイは、少女の身体を前後左右にこれでもかとばかりに揺さぶっていた。

やがて。

「……ルー、チェ……?」

少年が、うっすらと目を開ける。

「ああ、よかった。気が付いたんだね」

ほっと息をつくエリードの肩越しに遺跡の姿を認めた途端。

「そんな……まさか」

飛び起きて後ずさり、こころなしか青ざめた顔で彼はそれを凝視する。