ルーチェが飛び上がる。

「ほんとにっ!?」

「だけど、ひと晩だけだよ」

食料の手持ちがないのは、彼らも同じだ。

旅行きの常で、ひと晩の餓え凌ぎ程度のものは用意してあるが、明日の分はない。

念を押すエリードに、ルーチェは渋々ながら同意する。

キルトは、というと。

「どうして、いつもこうなんだろう……」

と、悲哀を背負って体育座りなどしている。

もちろん、すぐにルーチェに引きずられて行ったが。