「章、」

ごめんね、ありがとう。
幾度口にしてもきっと足りないその想い。

「―ごめんね。」

そう口にすると、やっぱりどこか苦しい。わからないけど、章は私にとって特別だった。時が経った今でも、章はいつも私のどこかにいた。

「まだ好きって言ってくれたとき嬉しかったよ。ずっと想ってくれてたなんて、幸せ者だなって。ありがとう。章は私にとって掛け替えのない人だよ、今でも。
―でもね、それは高校生だった頃とは違うの。私に恋ってすごく楽しくて、嬉しくて、ちょっぴり切なくて。そんな気持ち教えてくれたのが、他の誰でもない章だから。」

章は私に色んなことを教えてくれた。そんな章を今でも大切に想う。それはもう恋じゃなくて、感謝。