「あ。すみません、」

吉田先生はそう言い、私の髪に触れた。

「えっ、」

ドキッと心臓が一回跳ねた。

「桜の花びらが。」

そう私にひとひらの桜の花びらを見せた。

「あ、ありがとうございます。」

恥ずかしくて、頬が熱くなるのを感じた。

「いえ、きっと先生が綺麗だから花びらも留まったんですね」

そんなキザなことを言うもんだからもっと恥ずかしくなる。

「そんな…やめてください、吉田先生。」

「あ、すみません。つい。」

そう謝るけど、絶対悪いと思ってないな、この人。